彩の国さいたま芸術劇場にてダンスセッション2017、出演作品「VENUS」、無事終えることができました。
大変盛況で多くの方に観にきていただきました。つくばから足を運んでくださった方々も多く、とても励みになりました。ありがとうございました。
《観客の感想》
・迫力に圧倒された。
・女性ばかり24人でこれだけハードな作品もなかなかないのでは。
・踊ること、生きることへの問いを突きつけられるようなものを感じさせたけど爽快感もある。
・あの圧倒的な空気感や、勢い、気迫は映像ではなく、劇場にいてこそ体感できるものだなと感じた。
・VENUSは私が今まで見たことがないなと感じるぐらいに体当たりというか、髪の先から足の爪先までの身体に具わる全ての部分、空間、五感全てを使って伝わるものがあった。
作品「VENUS」。
リハーサルを重ねるうちに身体は勝手に絞られていきました。久しぶりにお会いした方から、「(腕を見て)…良い筋肉ついたねっ」と言われました。強くなったと思います。
今回みんなアザだらけで怪我人続出でしたが、それでもそのアクセントを体現するパワーがこの作品を成立させるためには必要不可欠でした。
「ダンサーは怪我するのも仕事でしょう?それが嫌だったらダンサーやめたほうが良いと思う。」説得力ある瀬山さんの言葉。(決して怪我を推奨しているわけではない。)
みんな、痛いーとか愚痴とか言いつつも、しっかりやるんです。私は、みんな強いな…と共演者を尊敬していました。愚痴言わないけどパフォーマンスが低いっていうのは、そこに居る意味がないんだ、と。
私は何度も何度も弱い自分に言い聞かせていました。
痛くてもやる
失敗から学ぶ
逃げずに乗り越える
(スポ根ではない。が、やっぱり必要なのだ。)
…本番はアドレナリン全開なので痛みなんて忘れていましたが。
同じ感覚の舞台なんて一つもないけれど、今回も全然違いました。
ダンサーは作品ごとに違う身体になっていくものですが、結果的に、ということだけではなく、自らそこへ向かう必要もあります。
振付家が変われば求められるものが変わるもの。質感、エネルギー、在り方、パッション。
コンテンポラリー作品の女性24名の群舞。40分間、全く緊張を解くことのない(できない)作品でした。息することも忘れてしまうくらい。
求められるものに合わせた身体づくりをするので、ウォームアップも違うんですよね。
発散してはいけない。抑えることが大事でした。でも“芯”を突かなければ良い音も良い呼吸も出ない。潔さが大事でした。(特に呼吸は、出そうと思って出すものではなく、勝手に出るもの。身体が緩んでいてはしっかりとは出てくれない。)
作品で最も気をつかったこと。
それは、ご覧になった方は分かると思うのですが、ダンサー全員の集中力です。
一人でも、一瞬でも集中を解いたら…弱気になったら…作品が台無しになる。
それはダンサー全員が理解していました。
“全員”と言い切れるのは、ダンサーが全員揃って、何度も舞台上でリハーサルが出来たし、話し合ったし、自主的な練習を重ねた信頼関係があるからです。(彩の国さいたま芸術劇場および埼玉舞踊協会の先生方の全面協力があったからこそ。)
素晴らしい、素敵なメンバーでした。
それをまとめあげてくださった、引っ張り上げて下さった瀬山さんとファビアンさんの偉大さ、強さ優しさに心から感謝したいです。
一か月という短い期間ながらも、毎日14:00〜21:00、劇場地下の大練習室で、同じ時間を共有したメンバーです。
全員が苦しんだし、全員で喜んだし、作品を良いものにするために行動して、全員で高め合いました。
辛かったけれど、その分だけ、終わってしまうと寂しいものですね。
本番前、楽屋で瀬山さんファビアンさんが一人一人にハグしてくださいました。私もみんなも、本番前なのに涙を我慢しきれず。
2回目の公演後、瀬山さん、ファビアンさんが両手を広げて、ダンサーみんなでお二人にとびついて、みんなで泣きました。
今回の出演者はオーディションで選ばれていたため、お互い初めて共演するという人が多く、埼玉のダンサーだけではなく様々な場所から集まっており、世代も幅広かった(一番若い子は高校生)のですが、まとまりのある最高のメンバーでした。
(ペアを組んだ栃木から通っていた高校生のYUUちゃん)
こうして公演が終わり、みんなそれぞれの元の場所へ散らばっていきました。でもまたみんなと再会できたらいいな。
その時までにまだまだ自分を高めていなければ・・・
ダンスセッション2017。
関係者の皆様、共演者の皆様、協会の先生方、舞台スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
振付してくださった、瀬山さんとファビアンさんには感謝してもしきれないです。
この経験を次に繋げるべく、精進いたします。
西園美彌