「言葉よりも"言葉"が見える。」

・・・演劇の方の感想です。

 

いよいよ来週に迫った「体-tai-」。

ストラヴィンスキー「春の祭典」という力強く壮大な音楽と男女の大群舞。全身タイツでまさに「からだ」で魅せる作品。

 

目的のはっきりとした振り付けとシーン毎に繰り広げられる自然と人、自立と共生、生命の讃歌。今回も身体の使い方から細かいアドバイス、イメージの仕方を丁寧に指導していただきました。

 

再演で2度目の出演だからこそ、前回はいっぱいいっぱいで必死でしたが、今回は楽しめそうな気がしてきました。(辛すぎて笑えてくる、というダンサーも)

 

個人的には、3年前はまだまだ全身の繋がりが部分的で硬く、空間に溶けていくような身体の広がりがわからなかったり、ぐらつきを上手く誤魔化す技術や周りを感じてその場で判断する臨機応変さが足りなかった気がしますが、今回は成長したなと思える部分が多々あります。

 

【自分に集中すること】と【周りを感じること】が別々ではなく同じことであるということを学んだことが大きいと思います。それはリハーサルを重ねる間に見えてきたもの。一人で作品に向き合うばかりでは得られない学びと喜びの多い空間と時間であり、今日はなんだか本当に幸せを感じました。

 

自分が踊ったり創ったりしているからこそ「名作」と呼ばれるものの凄さや奥深さ、素晴らしさを感じます。

 

私が現代舞踊の世界に入ったのは20歳を過ぎてから(クラシックバレエを7歳から、18歳からモダン・コンテンポラリーへ、22歳で現代舞踊のコンクールに初出場、25歳のとき現代舞踊の舞台に誘われる…)。

 

ここまでの経緯を思い返すと、不思議なご縁と運命に導かれているなぁと。感謝しかありません。

 

「体-tai-」は「海外には見られない作品」なのだそうです。

「これぞ日本のモダンダンス」であることがなんとなく分かります。

日本人のリズム感、日本の風土と文化から生まれたものであることが、踊りながらその情景が見えることがあるからです。一年間海外で生活した経験も生きていると思います。

 

 

-生きるということは挑戦であり歓び。-

毎回のリハーサルでは克子先生やみどり先生(「体」の振付者)の言葉をたくさんいただきました。

 

(折田克子先生と。後ろには「体」作者である石井みどり先生のお姿。)

 

「踊ることがとても難しい作品ではありますが、ダンサーの身体の可能性をぐっと引き出す力があるのを感じます。」

主役を踊られる酒井はなさんはぶらあぼ(雑誌)インタビューでそう答えられていました。

 

さぁ、本番まであと一週間!!

…………………………

様々な変化を経て・・・

 

「美彌さん、何キロ落としたんですか?」とここのところ何度か出演者に言われました。体重計に乗ってないので正確には分かりません。そして体調や気持ちの浮き沈みもあるため、浮腫んでいて太ってみえたり、姿勢や身体の使い方を改善させたことで引き締まってみえるということもあります。

しかしまぁ、やっぱり痩せたかなと。

勝手に絞られていった部分と、作品を踊りきるだけの体力をつけるためにトレーニングした部分と、精神的に追い詰められて痩せた部分と、、、。

今、私至上最高に綺麗な身体かもしれない。紆余曲折を経ました。この経験はまた次に、そして生徒達に生かしていきたい。

 

踊っているときの精神状態も違います。楽しめそうだと思い始めたのは、10月から始まったリハーサルの中で、ここ数日から。たいてい、作品への理解と感覚、身体と精神とが馴染むというのは直前であることが多いです。

 

だからこそ直前にならないと自信を持って「見にきてほしい!」とは言えないものです。なかなか自信て出てこないです。私は。そんな自分との闘いも常に行っています。

 

できる限りのことをする。

自分のやるべきことをする。

この作品を踊れること、このメンバーで踊れること、今この時代で生きていることに、感謝しながら。精一杯。

 

 

 

多くの人に見にきてほしいのは、

頑張ってるから、じゃなくて

 

「良い作品だから」。

 

 

 

 

【現代舞踊名作劇場】

「体-tai-」「プロメテの火」

◼日時: 3月24日(土)18:30~/3月25日(日)15:30~

◼場所: 彩の国さいたま芸術劇場大ホール

◼チケット: SS席10000円、S席8000円、A席6000円、B席4000円

ここは本当に良い劇場で、二階席からでも充分見ごたえがあります。大群舞は上から見ても楽しめます。

 

迷われている方はぜひ。