先週、帝京大学水泳部にて講習会を行ってきました!

ダンス以外の大学アスリート向けの講習会は初めて。

帝京大学水泳部の監督である浜上洋平さんは筑波大学体育専門学群の同期。

彼は帝京大学に赴任してからというもの、これまでの一般的な練習形式にはなかった新たな視点と学生教育や技術教育により、この水泳部を大変革させてきた経緯があります。今回その一環として私は学生指導の依頼を受けることとなりました。

浜上監督が報告してくれた講習会の内容は大変嬉しいものでした。

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今日はプロダンサーの西園 美彌さんを帝京大学水泳部にお招きし、競泳にも生きる姿勢づくりや動きづくりなどについてご指導いただきました。

......まず一言申し上げるなら、「速く泳ぐために動きを改善しよう」と声高らかに宣言し、この1年半ほどそれなりの指導をしてきたつもりだった僕の運動学習アプローチなんぞ、彼女のそれに比べたらミジンコレベルであった、ということです。

今回は①60分間陸上+②60分間swim+③60分間陸上というプログラムで行いました。

まず①では「身体の軸を保ったまま腕を高く、目一杯前方に伸ばす」「ドルフィンキック開始時に骨盤を前に出す」という僕からのリクエストに応えるかたちで、それらの動きに必要な意識と身体の使い方、またそれを体感できる具体的なエクササイズなどをご紹介いただきました。

②では、①で得た感覚をswimに転移させることをねらい、水中映像の遅延再生システムを活用しながら、感覚と実際の動きとのギャップを埋める作業を反復しました。

③では、さらに「身体をまっすぐに保つ」というテーマを中心に、究極のストリームラインづくりに各々が励みました。
ここでは、私たちからは非の打ち所がないように見えていた平野コーチのストリームラインさえも劇的に変化するなど、明示的効果が明らかに見てとれました。

今回ご指導いただいた西園さんは筑波大学・筑波大学大学院時代の同級生。
15年ほどの付き合いの中で彼女のすごさは理解しているつもりでしたが、バイメカ研で学んだ「客観的視点による動きの分析力」と自らがダンサーとしてひたむきに研鑽し続けている「主観的感覚から成る動きづくりの経験知」を統合した今回のレクチャーはその期待を遥かに上回るクオリティーでした。

また本日、JAPAN OPENに選手を引率されている中京大中京高校の内藤 智先生が八王子まではるばる練習の見学に来られました。
彼もまた筑波大学出身で水泳部の後輩。在学時期がかぶっていないほど歳は離れていますが、このようにつながりをもってくれるのは本当に嬉しいことです。

さて、このレクチャーの続編を6月15日(金)に行う予定です。
部員たちがこの3週間でどの程度姿勢・動きを改善できるか楽しみにしたいと思います。

(Facebookより)

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嬉しい言葉の数々・・・ありがたいです。

私が現時点で思うのは「ダンサーもアスリートも身体の使い方は同じ」だということ。
(※表現や伝える技術、となるとちょっと変わってくる部分があります。それはいつかまた書けたらいいな。)

近年私はクラシックバレエとモダンとコンテンポラリーダンス、知識としても身体としてもジャンル分けしなくて良い、踊るときに毎回身体を作り替えようとしなくて良いんだという結論に達したところでした。

 

 

同水泳部コーチの平野修也さんも私のやり方考え方に共感して下さいました。

浜上監督は「自分たちが日頃学生に指摘したいことは同じ。でもこんなアプローチがあったのか、そういうことだったのかと目から鱗だった!」とのこと。

 

 

いかに効率よく身体を動かすか。

それはわかっているけれど、じゃあどうやって鍛えたらいいのか。

具体的になにが必要なのか。

 

学生たちの聞く耳も私に向ける目も、時間が経過する間にどんどん熱く濃くなっていくのを感じました。
みんなありがとう!

講習会の様子↓↓↓

「骨盤コントロールを鍛えることが大事」「骨盤を微動だにさせずに足が出そう」の図。

骨盤は固めちゃいけない。ブレちゃうから。姿勢や位置を動かさないように細心の注意を払いながら関節を滑らせよう。(そのためにはインナーマッスルで体幹が安定している必要がある)

 

 

体幹トレーニング中。
ゆっっくりやるのがポイント。

 

骨盤の安定性に関与するお尻の筋肉をほぐし中。ストリームラインをつくる上でもこれやるかやらないかで差が出る。

 

 

ストリームライン指導中。
私のバレエクラスを受けている方はよくご存知の、バーの最初にやるお馴染みの姿勢。

1人1人やってあげられなかったけれど、彼らの大きな体を持ち上げてきました(笑)

 

軸の存在、軸の感覚。

筋感覚としていうとどんなことで、
場所はどこで、
感じたい感覚はこういう感じで、

この状態は間違ってて、

この状態だとまだ甘くて、、、

ということを説明していきました。

軸が通った瞬間はだいたい本人が知覚できます。

 

身体の見方や評価の仕方も解説。仲間を高めてあげるためにも自分のためにも。

講習会後もさっそく練習に取り入れている様子!来月の彼らの成長が楽しみです。

 

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今回のようなダンスではない競技、ジャンルを越えた指導はやってみたかったことでした。

私はこれまでずっと「身体の使い方」に着目してきたからです。

そして水泳はそれなりに経験があり、その競技特性を理解していたことも大きいです。(自分のトレーニングのため、または癒しのため、実はよく泳ぎに行きます)

実際に、彼らが一生懸命に練習を重ねているのにどうもうまくつかむことができない空白や隙間への疑問を少し解消させることができた感触がありました。身体からのアプローチしたり、イメージや想像力を利用したり。それは私の専門がダンスという、様々な身体動作を行い多様なアプローチをする経験のお陰です。3年前の脛骨骨折も。

 

試行錯誤の経験が生きるというのは嬉しいです。

 

またトップアスリートの方の身体を間近で見て触れて、ジャンルを越えて話をすることもまた楽しくて。平野さん、「生涯現役!!」と力強くおっしゃっていて、そのパワーに感化されました。私も頑張るー!

 

指導対象はすそ野を広げていく

舞踊表現は深さを増していく

私の研究は続きます。

 

いつ、どこで、なにが繋がるか分からない。だから面白い。

どうも私は、なにかとなにかの繋ぎになること、まだ社会に浸透していない新しい存在になることにご縁があるような気がします。

自分の人生、導かれるまま、信じて歩みを進めていこうと思います。