ダンスが見たい!19 ~ 白鳥の湖~
三東瑠璃振付「みづうみ」
無事終演しました。
(撮影:玉内公一)
もうとにかく、瑠璃さん(振付家)が本番後に満足してくれたのが本当に嬉しかったしホッとしました
4月からのリハーサルでは瑠璃さんのこだわりとセンスと作品への想いに脱帽&尊敬しっぱなしでした。
表したいものも世界観もあんなに言葉にして言ってくれて、的確に指導もしてくれて、ダンサーを信頼してくれて…。
やー凄いわー。ホント凄いーー。
集まったダンサーもみんなそれぞれに凄くて。なにが凄いか、って言葉にしようと書き出したけど、読むと普通なことにしかうつらなくなってしまったので消しました。
終始一貫して、瑠璃さんが求めて、引き出して、まとめて、そして託してくれていたと思います。
世界レベルの人間の凄味を間近で肌で感じ、終わりが近づいてくるころには「なんて贅沢で幸せな時間を過ごさせてもらってるのだろう」という気持ちでした。
作品は個性的かつ抽象的。そして"身体"を見せるものであったのは間違いなく、難しかったけれど挑戦させてもらえて有り難かったです。
リハーサルでは瑠璃さんの檄が飛びました。
でもかなり抑えつつの檄であることはダンサーはみんな理解していて。
グループLINEで瑠璃さんがダンサー陣に問いかけることもありました。ダンサーだけでの自主練することもありました。
私はネガティヴな感情と闘いながら
「いや、私は年齢を言い訳にしているだけだ
変わるのは今だ
人にやってあげていること自分にしてあげれば身体は変わる」
と言い聞かせてやってきました。
共演者にも恵まれ、助けられ、なんとかやり切ることが出来ました。
「終わりなんて、完成なんてないんだからね!」
という瑠璃さんの言葉が今も胸に刺さってます(もちろん良い意味で)。
 (瑠璃さん)
だから"やり切った"の言葉を使うのがなんとなく違う感じがするのですが、たった一度きりの本番では一番の集中力と気合でやれたと思います
本番はあっという間に終わってしまったという感じでした。
個人的にはいろいろとハプニングがありましたがそのお陰での一番の集中力と気合…だったのかな。
集中の入り方も気合の入り方も、初めてのタイプの作品だったからかは分かりませんがいつもと違っていて。
自分の中でのハプニングやそれをどうにかやり込める力、360度の緊張感、アドレナリンの放出。
自分が何者にもならず、ただ溶け込んでいれたときの感覚ってこういう感じなのかなぁというのが収穫。
また素敵な舞台を踏めたことが幸せです。
瑠璃さん、ダンサーのともこさん森田ちゃん中村ちゃんちさとちゃんれなさんあやかさんチリさん、アシスタントの静音ちゃん、スタッフや関係者の皆さん、見てくださった観客の皆さま、

ありがとうございました!!

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公演の写真。
これがまた素敵なのです。(撮影: bozzo)

身体は、肉体は、美しい。

そんな美しい肉体を引き出したのは瑠璃さんで。
そしてそれを切り取る写真家の腕。
 
    
そこに映る人間の身体が美しいと思いました。
そして私はこの写真を見て自分を受け入れられたというか。
また未来を見よう、見てみたいと思う気持ちになって。
「ずっと自信のない自分がいた…、私は、若さとか、細くて綺麗な身体とかに執着があったのかもしれない」と思いました。執着とプライドってバランスが難しいですけれどね。
でもすでにそこから一歩出ようおとしていたからこそ今回無理に痩せようとせず、メンタルコンディションと踊りの質感を出すことに重きを置いたのかなとも。
そうやって自分の行動を振り返りました。
写真家のbozzoさんに感謝。
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私に任されていたデュオのシーン。通称「四羽」。
本番、このシーンで、拍手が。
このシーンを共に闘ったゆうきちゃん(19歳)、彼女がまた良いキャラで、頼もしかった。
開演前、終演後もハグ。私は開演前に泣き(緊張がmaxで)、終演後はゆうきちゃんが泣いてました(やり切って)。
オーディションで私はこのシーンを彼女とできるダンサーとして選ばれました。
体格・手の表情・質感で選んでもらえたのは生まれて初めてです。
“この身体だったから”。
私の身体、ありがとう。
このシーンで拍手が出たのを共演者も喜んでくれました。リハーサル中「自分が出ていない時間も舞台裏で作品の一員でいてね。」という瑠璃さんの言葉があったのですが、ダンサーのみんなの一体感というか全体感というか・・・小さなことかもしれないけれど、こういうことも、やりとりしながら学んでいっています。素敵だなぁ、みんな。ありがとう。
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作品づくりとは―。
4月からのリハーサルの間に出てきたものたちの中で時間をかけて練習しながらも捨てたパートはいくつもありました。でもこうして試行錯誤や回り道・近道・遠回りが創作作業なのであって。
実は本番当日にひとつのパートをなくすという変更もありました。クリエイションにも練習にも時間をかけてきたシーンでもあったのですが、そういうことはよくあります。だって作品のため。
結論を出す振付家、、潔くなければなんだなと。そしてすぐにその修正を許諾する照明さんもまたプロだなと。・・・この時の場の空気がまた綺麗でした。一流の世界って、なんて透き通っているんだろう。
ダンサーに求められるのは、その瞬間の集中力やパワーやエネルギー、クレバーなクリエイティビティに、長期的な持続力や根気や努力も。歳を重ねただけ良いものを出せるかというとそうでもないし、若いからなんでも許されるということもない。
通しのたびに瑠璃さんの細かい指摘があるので常にノートとペンを用意していました。照明下見後もゲネ終了後も直前も。瑠璃さんは、作品全体もそうだし、一人ひとり、すごい見てる人。
直前まで作品を考えこだわり抜く瑠璃さん。半端ない。かっこいい。
その濃度や密度は、作品に表れるものです。
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全然関係ないですが、
7月ってなんだか相性の良い月なのか?
7月はターニングポイントになることが多いです。
そして、これもたまたまかもだけれど、
ちょっとだけ心に「グサッ」とくる出来事が当日起こる(もといメールが来る)と、より集中力が上がるみたいで。(こういうことを書いてしまうと、多分もうそのジンクスはなくなると思うけどw)
なんだろう。
ネガティヴ(ー)にネガティヴ(ー)が重なるとプラス(+)になるのかなぁ笑
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日暮里d倉庫、今回初めて踊りましたが、とても素敵な劇場でした。

なんだろう…空気感?
良い空間。
踊りやすかったんです。
お客さんが近いからどう感じるだろうと思っていたのですが、圧迫感はなく。でもきっとお客さんが良いお客さんだったからなのではと。観客の皆さまに拍手。感謝。
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振付家が一番大変で一番働いていて。上に立つ人間の力。見習うことがいっぱい。

繊細な世界をお客様に届けるためには客観的に見ている振付家が何を選択するかにかかっていて。世界観も空気も変化も、壊れやすければ壊れやすいほど、お客様に届いたときのパワーはすごいのであって。

それを知っている人間だからこそ苦しいだろうし悩むだろうし。それを自分以外の人間に託すって本当に勇気がいると思います。

瑠璃さんを尊敬しています。
瑠璃さん、みんなにプレゼントまで用意してくれていました。
てんでバラバラな個性の集まりでしたが笑、気持ちの良い仲間たちでした。
(↑決起会での1コマ)
こういう新しい仲間との出会いが、私の人生を豊かにしてくれる。
舞台が好きとか踊りが好きとか、それも実際にあると思うけれど、私は豊かな人生を送りたい。そしてそこで得た学びを発信していきたい。…そこがモチベーションなのかなぁ。
(↑終演後、瑠璃さんからのてぬぐいを持って集合写真)
気力体力財力の続く限り頑張る!
さぁ、またあらたな一歩へ。