怪我をするということは失うことよりも得るものが大きい気がする。私は怪我をする度に大きく進化したし新たな能力を得たと思っている。事故・怪我という生命の危機に瀕したとき、その人が欲しい能力を一つ得るのではないだろうか。踊る力、人を診る力、慈悲の心、忍耐力etc.

…というのも、腕を怪我し、ギブスで痛々しい姿ながら練習をした生徒が、突然上手くなった。身体のまとまり感が生まれ、"空気"を生むオーラが出た。今週末が本番。たまたま今が彼女の成長のタイミングだったこともあり得る。でも怪我はネガティヴなことばかりではない、彼女は怪我のお陰でその力を得たと思った。

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怪我。鬱。コンプレックス。誰しも必ずなにかを抱き生きている。それがあればあるほど、その人の瞳は深くなる。

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最近日課になっている三点倒立。この前その最中に内臓のなにかが剥がれる心地がした。それ以来、お腹の引き上げが内臓の奥からできる感覚が甦ってきた。すると背骨の伸びやすさがまた一段と上がって腕が伸びる・背中から繋がっている場所を用意に探すことができるようになった。小さなことの積み重ねが、ある日大きなきっかけを生むことがある。

昨日は調子の良い日だった。軸が背中寄りにあった。身体が薄っぺらい感じがして、肩甲骨が収まりやすく、背骨が伸びやすく、坐骨が下面を向きやすく、お尻が締まりやすく、股関節が滑りやすかった。坐骨周辺の締まりが踵にダイレクトに伝わり、軸の中に重心が定まると余裕が生まれ、上半身のしなやかさに繋がる。

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日々変化する身体。進化なのか、落ちたものを思い出す・取り戻すという作業なのか分からないけれど。怪我をする前の身体のしなり方は今はできないかもしれない。けれど今は今でまた違う良さを纏っているからそこを磨いていこうと思っている。逆に怪我をしたからこそ新たな自分への伸びしろを感じるから生きていけている気がする。

今読んでいる森下洋子さんの「バレリーナの羽ばたき」という本の中で「踊ることは喜びである」という言葉がありハッとした。以来そのことを心に置きながら教え、踊っている。やはり私が人に与える影響として、それが喜びであってほしいから。学ぶ喜び、成長する喜び。

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なぜこうまでして踊るのか、生きるのか、私はいつも自分に問う。だがいつまでたっても答えは出ない。でも探し続けることが、振り返れば道になっていて、生き様が身体に刻まれ、結果として踊りと人生が出来上がるのかなと思う。

結局なにが言いたいかというと、怪我もコンプレックスも悩みもなんでも、それは生きるバネになるよ、そして大きく飛躍し魅力になる、だから頑張って!自信を持って…!って気持ち。必要な人に届いて。