千秋楽後、楽屋にて。

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なんて良い写真!!

私の出演した石井みどり作品「体」の初演は1961年。50年前の作品です。

「これぞモダンダンス!」という作品に触れられて幸せでした。

他の作品においても、当時の舞踊家の作品から滲み出る感性の豊かさと潔さにただただ脱帽。スケールが大きく、見る人も踊る人も魔法にかけてしまう、そんな作品ばかりだと思いました。

「体」リハーサルは7月から少しずつ始まり、9月より本格始動。長いようであっという間でした。半年以上かけたリハーサル、もう生活の一部になっていました。都内とつくばの往復、片道1時間半も慣れたもの。

この作品のために集められたのは本当にすごいメンバーでした。実績のある子ばかり…でもみんな、謙虚、真面目、努力家。

なるほど、だからこそ実績があるんだ、というのが分かって良かったです。私は一緒に踊るダンサーのレベルがどんどん上がってるわけですが、上に行けば行くほど、素晴らしい人間性を兼ね備えた人たちばかりでした。

みんな与えられた作品への向かい方やこだわりがあり、個性を保ちつつも場の空気を読んで溶け込める。これだけの人数がいたら全員が全員揃うということは難しいのですが(みんな売れっ子たち)、休んだ時に変わったところはみんなで共有し合って助け合いました。コツとかも共有し合ったり、アドバイスし合ったりも。下に足を引っ張る人は誰もおらず、みんながみんな

ダンサーってすげえ…って思いました。
みんなと仲良くなれて…もう会えないなんて寂しい。でも東京新聞コンクールでほとんどの子と会えるか(笑)

私はリハでは攻めて攻めて、真ん中や前の方にいました。いつ「あなた、下手だから後ろへ行って!」と言われるかとハラハラしながら。(克子先生はそんなこと滅多に言わないんだけど)そうなるまいと思いながら。目立つ事ばかり考えてはいけないけれど、作品の中で“生きる”ためにはと試行錯誤しながらやりました。

約40分のこの作品で私は女性ダンサーの中で唯一ほぼ全部のシーンに出てました。本当に名誉なこと。かなりキツかったけど逆に燃えました(笑)

ダブルキャストだったせりのシーンでは、1日目にまゆこ先輩&はばたん&私、という筑波組がたまたま集まり、本番のレベランスもこの3人は横に並びました。筑波大学に入ったのも、ダンス部に入ったのも、私がいま踊っているのも、しかもこんな凄い人たちの中にいるのも、、、不思議です。ご縁、ですね。

この舞台で私は夢を叶えました。
私が小学生のころにテレビ放映された新国立劇場の舞台「眠れる森の美女」…吉田都さんと熊川哲也さんが主役で、今回の主役の酒井はなさんがフロリナ王女…を見ながら描いた夢。

それは「プロのバレリーナになって、引退したらバレエの先生になる」というものでした。バレエではなかったけれど、新国立劇場の舞台に立てた私。

この作品に出るために、私は1年前から担当クラスを代わってもらってリハーサルを優先したスケジュールを組みました。現代舞踊界の実力派スターがそろっている場で自分も肩を並べられるようになるために、専属のメンタルコーチ(小田桐翔太氏)を雇い、コンクールにも出場して舞台慣れしようと試みてきました。

1年前のセッションで
「この舞台後、みやさんはどんなダンサーになっていますか?」
というジョーくん(コーチ)の問いに
「私、絶対輝いてるー!!」
と言いながら紙にイメージを描いたことを昨日のことのように覚えています。

1年経ち、予想以上に“満ちて”いる自分がいます。

プロフェッショナルなダンサーに囲まれ、自信がついた部分もあるし、諦めがついたものもあるし、悩む必要の無いものも分かってきました。成長してる実感があります。これからもまだまだもっと上に行きたいし、もっと上質なものを掴みたいです。

プロフェッショナルとは。
酒井はなさんの可憐さ。佐々木大さんの男前さ。外見は中身そのもの。パフォーマンスはもちろんのこと、人間性そのものがプロフェッショナルでした。打ち上げの大さん、素敵過ぎでした。いろんな意味で。

外側から見ても内側から見てもなんて魅力的な世界なんだろう。ダンスの世界って。本当に素敵。もっと多くの人に、この世界を知ってもらいたい。

だから私は、これからも頑張ります。