帝京大学水泳部への講習会、二回目!

 

第一回(3週間前)は内容の一つに究極のストリームラインづくりの方法とペアでのやり方、評価の仕方の要点の解説をしました。→第一回の様子

 

そのストリームラインがまだうまく飲み込めていない人が多いという浜上監督・平野コーチのコメントに加えて部活の様子の写真から、「これは全員に体験してもらわないと伝わらないな」と思い、本当に一人一人(マネージャー含む笑)、ストリームラインの指導をやりました。

 

1.陸トレ60分

 

 

≪究極のストリームラインづくり≫

両腕を伸ばし頭の上で両手をそろえ、爪先立ちをし、ゆっくり踵を下ろす。

 

お尻の絞まりがない人、腹筋の使い方に改善が必要な人(弱い、方向が違う、感覚が分からない)、腹筋入れると背中を丸めちゃう人、肩甲骨が飛び出ちゃう人、踵を上げられない人、これらが複合されている人etc.

 

一人として同じといえる人はおらず、様々。なので個人指導するほかないです。

 

目的は上方向に伸びること。

上方向は水中における推進方向。

伸びる、という"動作"(止まっているわけではない!)であることが重要なポイント。

 

手の先・頭の先に向かってまっすぐ伸びようとしたとき、身体の中に一本の軸ができると体は中心に集まり、さらに上げていた踵を下ろすことで下方向の意識を加えて両端から引っ張ることで伸びる感覚を養います。

 

"物理的に"伸びる、ために最も重要なのは背骨を伸ばす(=骨と骨の隙間を広げる)ことだと私は考えます。

 

それには全身の筋肉がその動作に協調する必要があり、それが難しい。うまくいかない人がほとんど。

 

なのでそれを、「ここが使えてないよ」「ここが使い過ぎてる」「アンバランスだからこう使って」「○○なイメージでやってみて」「(私の身体で動きを見せつつ)あなたの体はこうなっていから、こうするの」と説明していきました。

 

これだけで陸トレの60分が経過していました。

 

「最後、自分いいっすか?」とまさかの平野コーチからアドバイスを求められたので指導させていただきました。

繊細なトップ選手の身体。

緊張しました(笑)

探求に余念のない姿勢、さすがです。

 

2.プールでの実践練習60分

プールサイドからの光景が前回とまったく違っていました。

 

学生たちの泳ぎに"方向"が見える。

出ている波が違う。美しい波形が出ている。

 

ストリームライン指導の効果を実感しました。

 

プールでは監督、コーチ、私が各々分かれて指導となり、今回私は個人メドレーの女子選手の平泳ぎのスイムフォーム改善を担当。

「なぜうまく進めないのか分からない、言われた通りに意識して動いているのに…」(女子選手)

彼女は上肢と下肢のタイミングを変えてみて、水をかくときの体幹と姿勢を変えるよう指示。

 

最終的に蹴伸びに伸びが出ました!

 

あとは練習を重ねて感覚をつかんでもらえたら確実に速くなるでしょう。効果を実感できたら練習にも意欲が湧いてきますよね。

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私は水泳を2歳半から10歳までやっていました(水泳かバレエかの選択を迫られ、バレエを選んだ)。もともと水泳が大好きで、今もたまにジムや市民プールに泳ぎに行きます。

前回の講習会後、実際にプールで自分の水中感覚を確かめてみました。

浮く感覚や水に乗る感覚、伸びる意識を持った時と持たなかったとき、目線の置き方、手の入水の仕方、包まれる泡の感じetc.

そのときの試行錯誤や新しい感覚の発見が間違ってたらまずいので当日浜上監督にも確認したら概ね間違いはない、と。

(余談ですが、私のクロールのフォームは右手-右足タイプ→少数派。しかも今の世界一の選手のタイプらしい)

 

感覚の共有がものをいう世界。

また泳ぎに行ってみようと思います。

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現役アスリートである平野コーチから直接指導を受ける学生たち。

 

学生同士でディスカッションし合う光景も良いですね。言葉にするのは定着に繋がります。

 

 

3.再び陸トレ60分

平野コーチからの提案でダンサーの身体づくりのメニューを教えてもらうのはどうだろう、と。

そこで西園美彌エクササイズをやってみることに。

 

「身体の"形"を真似するんじゃなくて、"動き"を見てね。

感じとって真似して。

具体的な筋肉の場所や感覚も説明するからよく聞いてね。」

 

ありふれた動きであっても意識と支点の置き方で効果は全く違ってきます。

 

漠然と「お尻」を押すじゃなくて「右の坐骨」を押すとか、

漠然と「手のひら」に乗るじゃなくて「親指と人差し指の間(母指球)」に乗るとか、

部位を細かく明確にすることで身体の反応が変わることを体験してもらえたかなと思います。

 

感覚的に難しいこともしました。でも学生たちの中に「分からない感覚を探そうとする・掴みにいこうとする」様子は大きな変化なのです。

 

(股関節可動域の獲得。これは梨状筋へのアプローチ。)

 

解散後も残って身体を確かめ合ったり自主練する子達が増え、また何人か質問にも来てくれました。どんどん私を利用してほしいし、頼ってほしいです。そのために私はこの場にいるのだから。個人的な悩みだと思ったことでも、多くの人に共通することがあるかもしれないから。

 

前回も充実した内容でしたが、今回は以前に増して密度が濃かったですね。ほっとひと安心。

 

今回も楽しかったです。

学生のみんなのお陰!拍手!!

 

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講習会ではいつも始まる前はとても不安です。どんな内容にしようか、うまくいくのか、、その不安を払拭してくれるのは大学同期である浜上監督の存在です。有能な彼がいるからなんとかなるだろう!という安心感は大きいです。

 

例によって浜上監督は私の言葉を水泳界の言葉に変換して説明を加えてくれたり、部員の表情を見つつ受け手側として解釈があっているかの確認をたびたび入れてくれました。そのお陰で私の伝えたいことが部員により響いたように思います。

 

平野コーチも、私は指導中熱く熱くなってしまうのですが、部員の中に交じりながら「なんでも楽しみながらやる」姿勢というか雰囲気で、終始良い空気に中和してくれていて、すごく助けられました。

 

このような彼らの自然なサポート・連携プレイによって私は安心して目の前の人に集中でき、質問されたことについての新しいエクササイズのアイデアを考えることができたと思っています。同じ指導者としてお二人の言動からも多くの事を学ばせてもらっています。

 

今回感じた部員たちの変化は、泳ぎだけではなく、前回より格段に「知りたい!」「吸収したい!」という目にも現れていました。そういう目を持つ人が増えて、一人一人の熱量も上がっていたのは嬉しいです。指導者冥利に尽きます。

 

 

水泳部のみなさん、浜上監督、平野コーチ、ありがとうございましたー!

 

一週間後は大事な大きな試合があるとのこと。

みんな頑張ってください!
応援しています!!!

 

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帝京大学水泳部浜上監督の講習会レポートはこちら!

3週間ぶりに西園 美彌さんを帝京大学水泳部にお招きし、第2回ボディコンディショニングを行いました。

今日はこの3週間継続して取り組んできた究極のストリームラインづくりの形成的評価に加え、新たに「胸椎の伸展」や「背骨のコントロール」をピンポイントで意識できるエクササイズなどをご紹介いただきました。

また、後半には部員からのリクエストに応えるかたちで、「腸腰筋のストレッチ」「股関節の可動域獲得」「クロールのリカバリー動作の改善」に効果が見込める様々な方法を実演を交えながらご指導いただきました。

今回も前後半60分ずつのレクチャーの間に60分のswimメニューを挟むかたちで行いましたが、swim時の姿勢や動きが目に見えて良くなっていて本当に驚きました。
軸がまっすぐ通っていて、プルやキックで生んだ推進力が進行方向にダイレクトに伝わっていくあの感じ。あの泳ぎを日頃のトレーニングで意識し続けることができたなら、うちはもう一段上のレベルに行けるのだろうな。そんな実感を明確に得ることができました。

来週末には夏季公認記録会が控えています。
チームの中には関東学生選手権や日本学生選手権の標準記録突破のラストチャンスに賭ける部員、そして競技人生最後の短水路のレースに挑む部員もいます。
客観的に見て実力が足りていない部員も多いし、あと1週間でできることも限られます。だけど、もしかしたら今日の取り組みがチームに大きな変化をもたらすかもしれない。そんな期待さえ頭をよぎる1日となりました。

 

平野コーチのレポートはこちら!

6/15
【己の身体を知り、操る為のクリニック 第二弾】

3週間前に帝京大学水泳部に舞踊家 西園美彌さんをお招きしクリニックを開催していただきましたが、今回も筑波から遥々八王子までお越し頂きクリニック第二弾を開催いたしました。

クリニックは前後半に分け、
○前半では前回同様にストーリムライン(蹴伸び姿勢)のおさらい。
○後半では新たに陸上でのW-up方法(胸椎伸展,腸腰筋ストレッチ,股関節の可動域拡張 etc...)のレクチャー。

各選手 様々な改善点はあるものの 共通してメインとなるのは、
①身体軸となる〝背骨のコントロール〟
②付随して四肢を除いた〝ボディのコントロール〟

前回、今回ともに思い 感じたことは
〝現状の日本水泳界では間違いなく このテクニックを言語化し伝えられることが出来る人はいない〟ということ。
それを的確な指導で変化させる西園さんの知識、技術の言語化能力、そして探究心に改めて衝撃を受けました。

選手たちはというと…
前回に比べ、身体への意識やクリニックでのレクチャーを受ける姿勢などが良くなっていたり、自然と選手同士でディスカッションをしたり。
少しずつではありますが、身体の扱い方とともに 意識・思考レベルの向上がこの3週間で行動や泳ぎに現れてきているように感じます。

来週末は関東学生選手権(通称カンカレ)前の最後のレースとなる試合です。
標準記録を狙う選手、ベストを狙う選手、引退レースとなる選手…あと1週間で何が変わるか? はたまた何も変わらないか?それは現状ではわかりません。しかし、僕を含め 今までの水泳界の常識ではないものを指導していただいたことは各々 きっかけになったに違いないと思います。

僕自身 現役選手としても、身体操作レベルが上がることで どれだけパフォーマンスアップに繋がるのか楽しみですね。

地味で負荷も少なく、一般的にはトレーニングと言うようなものではないけれど 陸上でどれだけ身体操作が出来るのか?
己に勝つということは、それまでの己を超えなければなりません。

己のセンサーをより研ぎ澄まし、コントロールする。己をを信じることの出来ない者は、己をコントロールすることも出来ないと思います。
この1週間、自信を持ってレースに挑めるように
自分と対話しながら調整していきましょう。

西園さん、遠いところお越しいただきありがとうございました!
#帝京 #水泳

No fun , No gain !!

 

期待と希望を感じてくれているのが伝わってきました。感謝。

これらはFacebookへの投稿ですが、この投稿への反応やコメントを見るにつけ、多くの人々のこの世界への興味が伺えます。どんどん発展させていきましょう!

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一夜明け、

平野コーチからの嬉しい報告。

 

「今日はマスターズ水泳の会場でフィンスイミング日本代表のデモンストレーションで泳いできました!

50mビーフィンという種目で、高速水着の禁止規制後の(高速水着非着用時の)自己ベスト更新!!」(公認記録ではないので非公認)

 

おめでとうございます!!

 

「今回のデモでは、昨日のクリニックで学んだことを意識しつつリラックスして泳いだことが良かったのかと思います。
ルール改正後のベストはベストですけど、あくまでも高速水着の自身を超えることが本当のベストと言えるので、まずはそこを目指したいです。」(平野さん)

・・・侍のような方ですよね。そしてどのような結果にも冷静に自身への評価をくだせる。

平野さんの進化に貢献できていたら嬉しいです。

 

私も踊りの自己ベスト、更新していこー!!!

 

続編をお楽しみに。