天気の良かった野外パフォーマンスで私は思いっきり身体を使った。

久々の自由な立場だったこともあるし、キツくなってきたその先に見える何かを求めていた。

すると翌日右腰に激痛が。

 

左右の親指にできた水ぶくれは痛みとしては左右変わらずなのに右は血豆に変化。

パフォーマンスの後半を不自然に右軸に変えたのがいけなかったかー?といろいろ考えたが後の祭り。

 

次の日は家の空き時間の間中ずっと全身のストレッチ、テニスボールやヤムナボールでのメンテナンス、呼吸での筋膜はがしなど、痛いところや関係してそうなところ(坐骨、踵、足裏、ふくらはぎ、ハムストリングス、腰椎胸椎etc.)をやるも、直後に痛みは消えてもまたぶり返す。

その繰り返しの数日を過ごした。

 

そんな腰で3日後の水曜は9〜22時のMiya Ballet Classがあり、お腹の引き上げをしてなければ激痛なので、動きながらも常に引き上げを意識していた。(痛みがある中でも動いて指導をすることはよくある)

 

するとこれまで通ってこなかったムーブメントラインがあった。

骨盤から背骨上部にかけてちゃんと順番にひとつひとつてこの原理で動いているのが分かった。

 

ほんのちょっと使い方や通り道を間違うと激痛なので本当に分かりやすい。

痛みがある身体のときは、チャンスと捉える。

 

歳も変化し、身体も変化し、気温も気圧も変化しているわけだから通り一辺倒なことってないわけで。その都度対策を練る。

そうして土曜日の本番に向けて調整を行っていった。

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脛骨を骨折という大きな怪我をした後の私の踊りは大きく変化した。

それはマイナスからのゼロであって、プラスではない気がしていた。

トータルで考えたとき、という意味で。

柔らかいけれど弱くなったからだ。

ここから、プラスにしていこうと思う。していける気がしている。

 

骨折直後のドイツにいた間も帰国してからも、踊り方や身体の使い方のイメージ、関節の通り道もゼロから積み上げた。

広がりをつくるのはこれからだ。

怪我をしなければここまでは来れなかった。

だから怪我に感謝なのである。

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そして本番の朝。

痛みが軽かった。おそらくアドレナリンの効果だと思う。

痛みがあった後で痛みを感じなくなった身体になれると本当に幸せを感じる。

(ウォームアップはダンサーそれぞれ。集中しながらも合間は穏やか。)

 

ウォーミングアップは最近作ったルーティーンを行い、バーレッスンはやめておいた。(ウォーミングは作品ごとに変える)

 

終始、腰に負荷がこないよう努めた。

自分の身に起こる危機的状況で発揮される集中力は凄い威力がある。

この日までに行ってきたケアと、

水曜に一日中動いたこと、

腰に痛みをかかえつつ疲れた中での教え、

すべてのその集中力のお陰で、

とてもクリアな心身でいれた気がした。

 

当日のゲネプロでは自分の出番以外のシーンを客席で見たり、身体をつくったりしていた。

プロのオペラをこんなに沢山聴ける機会は私としてはなく、本当に美しいものを聴いた・見たという感じだったし、それらが身体に入ってくるのも感じた。語彙力がないが…凄く綺麗だった。

 

本番はしっかり身体を上げていったので腰の心配や痛みの心配は一切なかった。というか忘れていた。

 

本番が終わり一夜明け、翌日は腰が治っているという(笑)気を抜かないでケアは行っている。

 

(後日、やっぱり痛みは抜けないのでプロに任せることも必要・・・と思い、頼ることにした。カイロの先生曰く、仙腸関節を無理に使ったのだろう、とのこと。)

 

身体はいつも広げることなんだと思う。

瞬発力を発揮させる瞬間は究極の一瞬に留めること。

そのためのインナーマッスルの発揮、調和と繋がり。

 

ピンチはチャンス!

良い勉強になった。