昨日はダンス部への指導の日でした。

いつもはバレエクラスをやっているのですが、今回はボディコンディショニングに変更。

日曜日にAll Japan Dance Festival in Kobe(ダンス甲子園とも呼ばれる夏の大きな大会。以下、神戸)のAB用紙を提出した3年生。数日深夜遅くまでのミーティングが続いたことでしょう。

部長に「バレエが良ければバレエでも良いし、ボディコンディショニングの時間にしても良いよ。なにか要望があれば言ってね。」と伝えたところ「ボディコンディショニングやってみたいです!」とのこと。

3年生を労わりたかったし、これから負荷の大きくなる練習になっていった際に部員が自分達で身体のメンテナンスを行えるよう学んでもらうつもりでクラスを行いました。

 

メニュー:

1.首
2.骨盤
3.肩甲骨
4.背骨
5.いくつかのキーワードで動く

 

直線運動、直線の往復にせずに円運動、螺旋運動にすること、終わりも始まりもない動きで行うことをしつこく言いました。これは日頃の自分の癖からくる部分的な活動におさめず身体を連結させ調和のとりやすい身体を獲得するためです。

なにか特別な道具を使ってやると効果的ではあるけれど、そうではなく、あえて身体ひとつで出来ること、部活同士でやり合えることに限定しました。

 

1.首は、ボーリングの球くらい重たい頭を支えていて常にバランスをとっている大切な場所。(全身の緊張がここから来る人もいる)
首はペアでのワーク。動かし方、やる人もやられる人も細かく注意点を説明しながら行いました。やはり力を抜くことに苦戦している子が何人かいました。「頭ってこんなに重たいんですね」と驚く子達。

ワークの後で立つと「床が足の裏に吸い付くみたい!」「背が伸びた感じがする!」という声が。

 

2.骨盤は全身の要。

扱ったキーワードは
骨)坐骨、大転子、
筋肉)ハムストリングス、大臀筋、中臀筋、梨状筋

 

3.肩甲骨周り(伝えるのが難しかった…)

筋肉)前鋸筋、三角筋、棘上筋、棘下筋

 

4.背骨

ペアでのワーク。

さすがは身体感覚に敏感なダンサーたち。動きやすさ、身体の感じの変化を感じてくれました。

 

5.いくつかキーワードで動く

3年生から今年の神戸作品のキーワードをもらい私なりのアプローチでやってみした。

 

…………………

 

最後のワークからいろいろなことが読み取れました。今のダンス部の課題。私は素直に感じたことを全員に伝えて終わりました。終了後に部長と話をすると「先生からも同じようなことを言われました」と。

部員はみな一生懸命なんですよね。でも"そこ"を理解するって難しいだろうなと思います。自分のことを客観視することは一番難しいわけで。そして経験してきてないことは分からないもの。結局は「踊りで何を伝えたいか?」というところに行き着いてしまうのかなぁと思いました。

私自身は想像力が乏しく感性が踊りに繋がらない人間でした。でも身体研究に向かい、結果的に身体感覚の向上が想像力向上へとなり全体が引き上げられてきたという経緯があります。

そんな道もある。だからもっとよく感じて、考えてほしい。

しかしそれよりももっと根本的な部分・・・

心というか
気合というか
熱意というか…

彼らの中に眠っている"それ"を引き出すなにかが必要だと感じました。ポテンシャルはみんな高い。だから周りの人間(私)が出来ること、与えてあげられることはなんだろう、とあの後から色々と考えています。

…………………

 

レッスン後は毎回4〜5人が順番に各々の体への相談をしにきます。

・さっきワークの意味が分からなかった、出来なかったからもう一度教えてほしいです
・つい力んでしまうのはどうしてなのですか
・どうしたら○○○ができるようになりますか

 

骨格的な問題が何を生むかというと筋肉の偏った使い方や癖。だから「こんな身体だから無理」なんてことはなくて、身体への意識と使い方で体型や動きは変えることができるんです。(時間がかかることもあるけれど)

なので、それぞれの身体の特徴や現状を伝えて、こういうところに注意しながら練習したりトレーニングを重ねてね、という風にいつもアドバイスをします。

 

部員「意識してやってみて分かってはきているのですが、実際に踊りになるとできなくなってしまうのですが、、それはどうしたらいいですか?」

私「ならこの基礎を徹底的に繰り返して。」

部員「それしかないですか?」

私「それしかない。」

部員「わかりました!」

 

…すべては基礎なんですよね…。地味なことの繰り返し。偉そうに言ってますが、まだまだ弱い自分にも言い聞かせています。

アドバイスを伝えることは簡単です。でもそれを定着させるのは本人の意識と行動次第。本人に自分自身を育てるのは自分しかいないのだという自覚や覚悟がいる。

部活の時間、あるいは私が見ている前で100回やりましょう、30分やってみよう、、そこまで介入するのは、私にはちょっと向いてないです。(でもそれって私の忍耐力が低いのかなぁ…)

私は人の集中力を目の前にしたとき、ハッとして、刺激を受けて、その魅力に感動しその人の残像を脳裏に焼き付け自分の行動に移す。ということがしばしばあります。みんながみんな同じなわけはないですが、そんなことを思う人もたまにはいるかなと思うので、私は私の背中を見て学んでもらえるように、自分を高めていこうと思いました。

 

頑張れ筑波大学ダンス部!