6月11日(土)、栃木県宇都宮市の体育館にて、
栃木県高体連ダンス専門部主催のダンスワークショップに講師として参加してまいりました。
参加高校 13校
参加者 238人
約240人の高校生たち。
この人数、当日聞きました(笑)
マジか!?と思いましたね。さすがに(笑)
このような講習会の講師は、人生初。
すっごくやりがいのあるお仕事でした!!
この日のために、お話をいただいてからというもの、ずーっっっと来る日も来る日も中身を考えていたんです。いくつもアイデアをだして、ボツにしたものもいろいろ。最終的に決断した内容は、自分としては、私の持ち味を生かせた内容になったのではと思います。
ワークショップ講師を務めるにあたり、まず
私にどんなことを求めているのかという部分と栃木県の高校生たちの現状を主催の先生に聞きました。
相手は高校生。しかもダンスのレベル、経験、ジャンルもさまざま。
このワークショップの目的は栃木県の学校ダンス・創作ダンスのレベルアップ。
私はバレエは長年教えてきましたが、今回の対象はバレエを目指す人たちではありません。
私に何ができるのか
私が伝えたいことは何か
私だからこそ伝えられることとは何か
ということを考え、
どんなジャンルにも共通していて、誰もが知っておくべきこと、
そして体の条件に関係なくできて、少しのチャレンジが含まれていること。
また、ダンスの魅力を伝えられそうなものを組み立てていきました。
しかし不安や悩みが生まれました。そこで私は、現役の高校生ダンス部指導をされていて去年全国優勝に導いたN先輩(筑波大学ダンス部の先輩)に相談。
N先輩からは、「みやは(振付家タイプかダンサータイプかと言われたら)“ダンサー”なのだから、“ダンサー”としてのスタンスでいいんじゃない?」と言われました。
「なるほど、そっか。」とちょっと気持ちが軽くなり、
そして、振付や動きのリサーチよりも、
身体を知る・身体と向き合う・身体をコントロールするという路線で行く方向で固まりました。
そこから身体の準備(自主練やデモンストレーション作品を公開リハとして見てもらうなど)して
いざ出陣!という流れでした。
やっぱりせっかく声をかけていただいたのだから満足してもらいたい。
それに高校生という、ある程度成長した未来ある若者たちに触れ合える絶好の機会だから、本当に頑張りたい!という想いでした。
内容を考えながら、 ふと幸せな気持ちになったり。
私の強みは感覚的にも理論的にも身体についての説明ができることだと思ってきたので、
そんな自分を生かせる場をいただけるなんて自分はなんて運がいいんだろう!と
ワークショップは午前2時間、お昼休憩をはさんで午後2時間。
デモンストレーションもお願いされていました。そこで、このワークショップのために新作を作りました。
最終的には30分オーバーしてしまって、終了。(ごめんなさい)でもまだまだやりたいことがありました
でも、余るほどたくさん準備していたからこそ余裕もって実践できたと思います。無事終わってほっと一安心。
具体的な内容は以下の通り。
まずはじめに子供達を知ることから。
↓
「みんなはどんな活動をしていますか??
創作ダンス部のところ〜(ハーイ)、ストリートダンスのところ〜(ハーイ)
じゃあ、モダンダンス、コンテンポラリーダンスというものを知ってる人~
いや、知らない人~(ちらほら)」←内心、衝撃
↓
「みんながいつもやってるストレッチを1分間やってみてください、
次は、いつもやってる筋トレを1分間やってみてください」
(なるほど。よし、決めた!)
↓
- ウォームアップのエクササイズを2つ
- 姿勢をチェック、姿勢づくりを解説
- プリエ
(そうそう、グランプリエはぐらついちゃうのよね)
- 足の指のエクササイズ
(指が開かない人の多いこと!)「グー!チョキー!パーーー!」
「足を鍛えることはとーっても大事です!みんな、毎日やってください!」 - デガジェ
- ストレッチ
(前半終了)
↓
(午後)
- フロアムーブメント
- フットワーク
- アームススイング
- レッグスイング
- 振付デモンストレーション(このワークショップのためにつくった新作)
(この写真はスタジオでの練習の様子)
- 作品解説
「さぁ、この作品、タイトルは何でしょう?1番◯◯◯、2番□□□、3番△△△…」
「この作品ができるまでというのは、、」
「この作品で私が悩んだ事は、、なぜこのスタートにして、このラストにしたかというと、、」
「質問や感想はありますか?」(→しっかりと見てくれていたことが分かるような質問が出て嬉しかった!)
(後半終了)
・・・写真は講習会担当の先生にお願いしていましたが、後半の写真がないのは先生方までもが実技に夢中になってしまっていたからなのだそう(笑)それはそれで嬉しい反応♪
私がこの日のワークショップの中で、言葉でより強調して伝えた事。
「表現力は基礎の上に成り立ちます。
基礎は身体を知り、つくることから。
まず身体、姿勢をつくってください。」
「自分で限界を決めないこと。
“自分の100%はここまで”、とせずに常に高みを目指した方がいい。
私は今でもそうやっています。」
「自分に対して、自分の身体に対して、責任を持ってください。」
・・・あらかじめ伝えようと思って準備していた言葉でもあるし、自然と出てきた言葉でした。
私がこの世の中、社会になげかけたい言葉でもあります。
言えて良かったー!
ワークショップを受けてくれた子たちに、少しでもなにか良い影響を与えられたら本望です。
また今回、毎年8月に神戸で行われる全国大会に出場する学校の作品を見せていただきました。
今年の栃木県代表の作品、すっごく面白くてすっごく可愛い(この表現で正解なのかは分からないけれど笑)作品でした!
(ニュースに取り上げられていました→ダンス創作、足女が5年ぶりV)
みんなとっても真面目。そしてピュア。いい表情。素晴らしいと思いました。
私は思ったことを正直に伝えました。
「綺麗に踊ろうとしなくていい。
今のそのエネルギーのまんまがいい。
そして、一人一人が舞台上での“在り方”を大切にして。
まわりを感じてそろえるけれど、個性は消さないで。」
「舞台上の四隅はすごく大事。
舞台全体の空間を埋めているエネルギーが隅から抜けてしまったら、作品が台無しだから。」
あとは構成をクリアにするとか、ニュアンスをもっと、とか、脇を使って、とか…
高校生ならではのパッション、エネルギー、リアルな身体って、私はあると思います。むしろそれこそがこの時期の子供達が生み出す作品の良さだと思います。
心から応援しています!!!!
余談ですが、
私のこの講師経験を知ったダンサー友達T君からアドバイスを求められました。彼は今度、母校の中学校にダンスを教えに行くことになったのだとか。(彼はモダンダンスの人)
私は聞きました。
「T君が、ダンスをしてて一番楽しい時って、どんな時?」
「…身体を思いっきり使ってる時っす!」
「じゃあ、それを素直に伝えたら良いんじゃない?」
「…なるほど!やってみます!」
T君もまたダンスと真摯に向き合っている、とっても純粋で熱い人。
こういう熱い大人と子供達とが関われる場って、もっとあっていいんじゃないかなぁって思います。
私が今回この講師の話をいただけたタイミングですが、先方は去年お願いしようと思っていた、とのこと。
でもこういった内容にできたのは、私が去年一年間ドイツでモダンダンス・コンテンポラリーダンスを学んだ今だったからこそだと思います。
ドイツでの経験がこのような形で生かせたことは本当に嬉しい。
声をかけていただき、ありがとうございました!!
講習会における一つの指標や自分のやり方、目の前にいる人々のレベルに合わせた持っていき方・対応など経験値がまたひとつアップしたかな?
私は不器用です。でもそんな自分だと知っているからこそたくさん準備をして、喜ばれるために仕事をする。
そして喜んでもらえたら、私の挑戦は成功!!
また一つステップアップできたと思う!!
幸せだなぁ〜
ひとまず栃木県WSの報告でした。
現在、参加してくださった方々に今回のワークショップの感想をいただけないか、聞いてみているところ。
もしいただけたらまたここに書こうと思います。
また、ワークショップの様子の映像を撮っていただいていたようなので、それもアップできればいいな~
私は感じたのは、「こういう基本的な姿勢づくり、身体の知識について、ダンス部顧問の先生方、体育の先生方は知りたんじゃないか?」ということ。
スポーツ界での「最新の研究でわかったこと!そのトレーニング法!」が実はダンス界で当たり前のように昔から行われていた、なんてことがごろごろ出てきています。
ダンスはいろんな意味で多くの人の役に立つと私は思っています。
交流会も意見交換会などもきっと行われているはず。でも学校の先生方が忙しいのが現状なんでしょうね。
私ができることってなんだろう。。。
ところで
最近悲しいニュースがありました。
ダンスが下手だといじめられて自殺…。
ダンスは他のスポーツのように勝ち負けがなく、自分の身体を思いっきり使えて、なおかつ他者(自分と違う個性を持つ存在)を認め合いながら楽しめるところに良さがあり、人間力育成においての可能性があると私は考えています。
しかしながら、ダンス指導者でも様々な性格を持つ生徒への対応には難しい部分がある中で、ダンスをしたことのない先生方の不安や苦手意識、子供達の反応への対応力不足というものがあるだろうなと思うので、
学校体育とダンスの専門家や指導者との連携がもっと進んでほしいなと思います。
私が持つ経験と知識、また私のこの情熱が社会に生かせる場はないか、今後模索していきたいと思います。